chapter1 哲志の日常

俺の名前は持田哲志。
如月学園高等部2年のごく平凡な高校生だ。

今日もいつもどおり学校へ通う。
でも、一つ気がかりなことがあるんだ。


妹の由香のことだ。


最近あいつは様子がおかしい。
俺の方を見て嬉しそうな表情してたから、声をかけたら逃げられた。 最近はずっとこんな感じだ。
今日家に帰ってからちゃんとあいつと話そうと思う。


教室に入ると、クラスメイトの直美がやってきた。

直美:おはよう哲志。 明日は文化祭だよ。
哲志:分かってるって。じゃあ放課後、さっさと準備終わらせてしまおう。


そして放課後。
委員長の篠崎を中心に準備が始まった。
文化祭では、うちのクラスはお汁粉屋をやる。そんな俺達の目標は「全校生徒に最強のお汁粉を届ける」だ。
準備は特に問題も起こらずサクサク進んだ。直美は篠原と一緒に材料の確認。鈴本と森繁は教室の飾り付けをしている。篠崎はお汁粉屋のポスターを・・・あれ、良樹がいるなんて珍しいな。
途中で副担任の宍戸結衣先生が差し入れにコーヒー牛乳を持ってきた。こういう時っていっつもコーヒー牛乳なんだよな。


そして文化祭当日。
昨夜由香に話しかけようとしたら慌てて自分の部屋にこもった。「なんでもない」の一点張りだ。流石に俺もあきらめた。

お汁粉屋は大繁盛だった。女子が浴衣を着ていた(特に鈴本は学年ですごく人気があるから)かもしれないが・・・でもみんな美味しいって言ってたし、成功は成功だ。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、文化祭は幕を閉じた。
後片付けに残ったのは俺、直美、篠原に良樹、鈴本に森繁、そして篠崎だ。
他のやつらはどうしたかって? みーんな帰ったさ。
誰だって後片付けはしたくないよ。



雨が降り始めた。

森繁:参ったな・・・今日、傘持ってきてないんだ。
鈴本:傘なら私の置き傘貸してあげるよ、繁兄ぃ。

そういえば俺も傘を持ってきてなかった。午前中は天気も良かったんだけど。
すると・・・でたよ、篠崎の怪談話。
勘弁してくれよ・・・怖いのは苦手なんだ。


ああ、ビビったさ。
盛大に悲鳴を上げましたとも。
みんなして笑って・・・こ・・・怖かったんだぞ!

その後、篠崎と結衣先生のドッキリに見事に騙された。
先生にまで笑われたよ。

結衣:そんな怖がりの持田君に、可愛いお客さんよ。


すると先生の後ろから、ひょっこり由香が顔を出した。
由香は俺を見つけると、周りを気にせず俺に抱きついてきた。
髪と服が雨で濡れている。どうも傘を届けにきてくれたようだ。

ここで、先生が鈴本に辛そうに言った。

結衣:それじゃあ鈴本さん・・・名残惜しいけど・・・。

鈴本は今日が最後の如月学園への登校日だった。
親の仕事がどうとか・・・詳しいことは分からないけど、引っ越してしまう。
俺はふと森繁を見た。少し悲しげな表情をしていた。
そうだよな、森繁、鈴本と仲良かったもんな。
俺だって寂しいよ。

あゆみ:先生、最後に一つだけやりたいことがあるんです。

篠崎が持ち出したのは白い人型の紙人形。これから行うのは「幸せのサチコさん」というおまじないで、なんでもこれを行うと離れていてもずっと友達でいられるという、まあよくありそうなおまじないだ。

友達のために・・・そんな俺達の思いが踏みにじられることになるとも知らず、俺達は紙人形に手を伸ばしたのだった。






天神小へ、ようこそ。






たまにはこういうのを書くのもいいかな〜って思ったんです。
重要ですよ、気分転換。